~首都圏直下地震~ あなたはその時・・・その1

~首都圏直下地震~ あなたはその時・・・その1

時間は20時だ。仕事も終わって仲間と一週間を労う乾杯の瞬間。おっ地震かな?ん・・でもちょっと長いな?あれ!!
その瞬間とんでもない地震だ。テーブルの物が落ち、厨房では食器が崩れ、酒類の瓶が倒れパニック状態だ。

周りから悲鳴のような声が交錯する。まずは、身の安全と思い、テーブルの下へと行こうともテーブルが右に左に動き、とても立っていられない状況である。仲間とお互いの顔を見ながら周囲を見回し、お互いの安全を確認する。時間にして数分だがやっと治まった。

しかし、この地震がただ事ではない事は、誰の目にも明確な状況である。その後、お互いに携帯を取り出し家族に電話するも繋がらない。仕方がない、まずは帰ろうという事で外に出る。

その瞬間驚きの光景が・・・人があちらこちらから湧き出てくる。押すな!!押すな!!大きな声が飛び交うもあっという間に人で埋め尽くされて動きが取れなくなった。

そして、向かいの道路では、次の瞬間人が倒れたと思ったら、次から次へと折り重なって倒れ始めた。キャーキャーと叫び声の中、密集した群集が折り重なって倒れる群集雪崩と呼ばれる現象が、まさに目の前で起こっている。

このままでは、まずい。落ち着け、落ち着け、藁にもすがる思いで、脇道に逃げたものの前にも後にも動く事が出来ない混雑である。ビルや地下街の出入り口からも次々に人が流れ出てきて、人々が密集し、壁に押し付けられるような人も出ている。

その時だ!!、突然大きな余震が発生し、この緊急時にも点灯していた街灯が突然の停電で真っ暗になった。その暗闇の中を我先にと逃げようとする人であたりはごった返す。気づくと後ろに見えていた駅も真っ暗になっている。目の前の交差点の信号も消え、人の叫び声と車のクラクションが鳴り響く。視界には何も見えず、頼りは音だけの恐怖の世界である。

そして、危ないのは地震で出来た道路の段差である。その段差に人がつまずき、倒れ込み始める。さらに回りにいる人たちが連鎖して倒れ、またまた群集雪崩になっている。

ちょうどその時少し冷静になり、東京都では一時滞在施設としての集会場や庁舎、学校がある事を思い出す。このまま帰宅しようとしてもどうしようもないと思い、一時避難を考えた。

帰宅困難者等の受け入れが出来るように、こうした場所に食料や水、毛布またはブランケット、仮トイレや災害等関する情報提供がある事を期待して探してみる事にした。

当然携帯は全く繋がらず、懐中電灯の役割になるぐらいだ。しかし、ここぞの時の為に充電が無くならないようにしなければと思い、ちょうどその時3.11以来買い直しながらもずっとかばんに入れているミニライトの存在に気付く。わずかな明かりで足元が照らされ、周囲が見えるようになり、ホッとする。明かりがあるだけでこんなに安心出来るのか・・・

その明かりをもとに徒歩でゆっくりゆっくり人の波を避けながら移動して行き、コンビニエンスストアやファミリーレストラン、ガソリンスタンドを通るも全て真っ暗だ。その時、少し先に明かりが見えた。

公立学校の緊急用の明かりだ。もしもの為の災害時帰宅支援ステーションである。ここでは、水道水やトイレ、帰宅支援情報等が提供されていた。助かった、一旦ここで落ち着こう。

そして、少し落ち着きを取り戻したので、家が気になり歩いて戻る事を再度決意する。少し道路の人も減り、動き始めた中で緊急車両のサイレンが鳴り響く。その道路の両脇を歩き始め、家へ向かい始める。

その時、また余震だ!!今度は目の前の家が崩れると同時に火の手が上がる。火事だ!火事だ!瞬く間に燃え始め、目の前の行く道が閉ざされていく。その瞬間に前にいた人が、後ろを向いて波のように迫ってくる。押すな押すな!!おしあいへしあいがまた始まる何ともしがたい状況が続き、またまた、脇道に逃げ周囲が落ち着くのを待つ。

やっとの事で路地を曲がって、別の道から帰宅を開始する。道路は瓦礫がたくさんで、道もひび割れ、まっすぐ歩くのも一苦労な状況だ。
何とか国道迄辿り着き、まっすぐ歩いていけば良いと少し明るい気持ちになるも、今度は目の前の川の橋が人手一杯で埋め尽くされている。
いったいどうしたんだろう?その疑問は直ぐに解ける事になる。橋が崩落して渡れないのだ。何という事だ。我が家はこの橋を渡ればすぐそこなのに・・・

仕方なく迂回する事を考え歩き始める。既に初めの地震から8時間が経過しており、疲労困憊の中、何とか隣の橋を渡る事が出来た。

少し歩くと自宅のマンションが見えてきた。明かりは勿論ないものの建物が崩落していない事で少しホッとした。後少しと思うと力が出て来て小走りながらも家に到着した。エレベーターが動いていないものの階段を駆け上がり、何とか家に到着出来た。

既に周りが明るくなってき始めて朝になっていた。やっとの思いで家に入ると家族は無事だった。
その瞬間、全身の力が抜けて床に倒れ込んでしまった・・・

思い返せば、東京都が非常時に一時滞在施設や帰宅支援ステーションを準備している事の情報を知らなかったり、緊急時のミニライトが無ければ、無事に帰宅は出来無かっただろう。改めて、日頃からの準備が大事である事を思い知らされたのである。

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