~首都圏直下地震~ あなたはその時・・・その2

~首都圏直下地震~ あなたはその時・・・その2

緊急事態宣言も解除になり、たまには飲みにという事でいつも行く地下街の居酒屋に行く事になる。とても久しぶりなので何だか楽しみな気分である。ちょうど週末という事もあり、あちらこちらでワイワイと声が響き、店はとても賑わっている。

その時である。地震か?一瞬静かになるも直ぐに納まったのでまたワイワイと始まる。
ちょっと一息したその瞬間だ。携帯の緊急警報のアラートが鳴り響く。何とも言えない音で、さずがに店内に動揺と緊張が走る。それからは、考えるまでも無く、ドオーンと言う音と同時に大きく揺れる。直下型の大きな地震だ!!

立っている事も出来ず、右に左にテーブルにしがみつくも一緒に動いてしまっている。店内は棚が倒れ、物が散乱し始める。

これまでの楽しそうなワイワイしていた声が悲鳴に変わる。おそらくこの状態が2~3分は続いただろう。
やっと治まった。何処が震源だろうと考える事も無く、ここが中心である事は誰の目にも明らかな状態だ。

真っ先に気になったのは、家族と家である。携帯を取り出し、電話を試みるも全く繋がらない。そうこうしているうちに、パッとあたりが真っ暗になる。停電である。ザワザワしているのが一瞬で静まり返る。焦ってはいけない。

暗闇の中、今の場所を考えると津波の事が頭をよぎる・・・そうは言っても確か大丈夫と聞いていたはずだ。
ここは、新しいビルの地下街なので、耐震には大丈夫との事でそのまま留まっている事にしたものの何となく胸騒ぎがするので、混乱している人混みをかき分け地上に出てみる。

むやみに動けば、転んだり、2次災害になる。東日本大震災の経験から絶対にパニックになってはいけないと自分を落ち着かせた。まずは、辺りの状況確認が必要である。周りでは、皆携帯のライトで手元や足元を照らし始める。

その時に自分もと思うが、今一度思い留まる。連絡の手段として携帯の電池は絶対に残さなければである。この為に、もしもの時にと用意していた携帯ライトが役に立つ。もうこんな事は一生無いと思っていたのに、嫁に渡され鞄に入っていたものである。少しでも明るさが戻る事でホッとする。一方では、見えてくる光景はまさに地獄絵である。

しかし、ここにいても仕方がないので、とにかく家へ帰ろう!という事で仲間の無事を確認すると皆で店を出てお互いに家へ向かう事にする。

その時である。外に出ると東京湾から近い事もあり、警告音が鳴っている。一瞬何に対しての警告音か分からなかったが、津波に対してである事は、簡単に理解が出来た。まさかな。。。と思いながらも、震災の事を思い出す。

更に、会社で受けた防災セミナーも思い出す。会社がリスクマネジメントの観点で、東京湾に近い事から行っていたセミナーだ。その中で、津波自体は低くても、海抜が低い事でこのあたりは、とても危険である事を思い出す。

でもまさかな。大丈夫だよな、と自分に言い聞かせる。街灯も消えているので、まったく周りが見えない。
晴れていれば月明りもあるのだろうが、今日に限っては真っ暗だ。よりによって土地柄かアスファルトのひび割れも大きく、移動するのも一苦労である。

その時、足元には、水が薄っすらと来ている事に気づいた。これはなんだ?その時、高潮と重なり、津波が襲来していたのである。

ゆっくり、ゆっくり、浸水が始まっていき、あっという間に膝まで水が来ている。急いで近くのビルに避難しようと思っても、人波で動く事が出来ない。上を見ると絶えずガラスの破片も落ちてきており、危険な状態である。あきらめずに、少しずつだが移動し、やっとの事で隣の雑居ビルを見つけ、慌てて2階迄階段を駆け上がる。前も後ろも人だらけである。

隙間から外を見ると浸水が腰まで上がってきている。多くの人や車が流され、悲鳴があがっている
あの時、周りにいた地下街に人達は、どうなったのだろう?と思ってみたが、今の自分には全く余裕もない状態だ。

何とかしなければと思うもののどうする事も出来ない。そんなこんなで焦りばかりがつのる。そして時間が経過していく。

そうこうしているうちにやや水が引き始めた。今がチャンスと動き出し、家に帰ろうとする。が・・・思い留まる。
待てよ、東日本大震災の時、何度も襲われていたよなあ。

やはり、来た!!第2の津波だ。先程よりも勢いがある。あっという間に街を飲み込んでいく。

さっきのタイミングで道に出た人は、飲み込まれてしまっている。動かなくて良かった。と思うと同時に足が固まり動く事も出来ず只々恐怖の時間を過ごさざる得なかった。それから、夜が明けて日にちが変わった。なぜか外は静かだった。

水も引いていて、不思議と現実感が無かった。何とか家に向かい、やっとの思いで辿り着いた。生きていて本当に良かった。
いくつかの判断があったが、自分は運が良かったとあらためて思った。

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