”企業に求められるBCP(事業継続計画)” 最も重要な事は従業員の安全!!

”企業に求められるBCP(事業継続計画)” 最も重要な事は従業員の安全!!

■BCP(事業継続計画)に必要な事は?

近年、地球の温暖化に伴う自然災害やテロ・戦争等の事故から、大企業のみならず中小企業でも事業継続計画(以下BCP)の策定は、必須の状況になってきております。そして、BCPの策定そのものが企業に対する評価とも言って良い程にその重要性が高まっております。

しかし、会社を運営しているのは人であり、安全な環境が確保されなければ、いくらBCPを唱えても実現不可能である事は容易に想像がつくと思います。単純にBCPを策定したから良いと言う訳ではなく、本質はそのもととなる防災対策をしっかり行う事が重要であり、本当の意味で災害時に効果を発揮するにはこの観点が最も重要であります。

■ファーストエイドとは?

こういった意味からもしっかりと防災対策を講じる必要がありますが、企業における防災対策で最も大事であるのは、先に述べたように従業員の安全であり、ファーストエイドと言われる「急な病気やけがをした人を助ける為の最初の行動」であります。

このファーストエイドの目的は、「いのちを守り、苦痛を緩和して、ケガや病気の悪化を防ぐ事、回復を目指す事」であり、分かりやすく言うと応急手当という事になります。

ファーストエイドは、傷病者に対して適切な対処が必要になりますので、一例で言うと「PICO(ピコ)」と呼ばれる問題を定式化する手法があり、事前の準備を日頃からしておく事が重要です。

PICOは、Patients、Intervention、Comparison、Outcomesの頭文字をとったものですが、分かりやすくいうと「誰に(P)、どんなことをすると(I)、何と比較して(C)、結果(O)がどうなるか。」という感じです。

例えば、「病院の外で呼吸があるが反応が無い人に対して(P)、横向きの回復体位を行うと(I)、仰向けの場合と比べて(C)、死亡・気道確保の必要性や喉に詰まったり、頸髄損傷の可能性や合併症、心停止の発生(O)の可能性はどうなるか?」という事になります。

このPICOについて理解した上でファーストエイドを行うと状況を整理しやすく、適切な対応がし易いというものであります。

■適切な対応する上で必要な資器材は?

また、このファーストエイドの対応を行う上では、適切な資器材が必要となります。
俗にいうファーストエイドキットというものであり、中身は、必要最低限のものとして以下があげられます。

 

 

①消毒液・絆創膏
⇒消毒液・絆創膏は、切り傷や擦り傷を衛生的に保護する事が出来ます。怪我の直後は、雑菌が傷に入っている事が多く、そのまま絆創膏を張ってしまうと膿んでしまう事になるので消毒液をかけ、絆創膏を張るようにする事が望ましい為です。

②滅菌ガーゼ
⇒滅菌ガーゼは、絆創膏では収まりきらない傷を抑えたり、マスクが交換出来ない場合にガーゼとして使用出来る等便利なものです。

③固定用包帯
⇒固定用包帯は、普通の包帯より伸縮性に優れ、テーピングのように固定する為にも使用出来、包帯とテーピングテープの2つを用意するよりコンパクトに纏める為には事が出来て有効的です。また、ねん挫した時等の固定だけでなく、止血に使う事も可能です。

④ハサミ
⇒ハサミは、ガーゼやテープを患部に合わせて切る等、持っていると様々な使い道が出来ます。また、包帯等がない時に衣服やタオル等を切って使用する等様々な応急処置に役立ちます。

⑤三角巾
⇒三角巾は、怪我をして腕を吊るのに使ったり、ねん挫した足首を固定する事が出来るものです。また、頭部を怪我した時にも使う事が出来たり、
ガーゼが無い時の代替えとして有効的です。

⑥ビニール袋・ゴム手袋
⇒ビニール袋は、傷の手当てに使ったティッシュやガーゼなどを纏めておく事が出来ます。また、防水加工されていないケースの場合、中身への浸水を防ぐのに便利です。ゴム手袋は、薄手のものを入れておき、怪我をした人の手当てをする際に使うと感染症等の心配が無くなります。

⑦懐中電灯
⇒懐中電灯は、省電力で明るく周囲を照らす事が出来、中でも寿命も長いLEDの懐中電灯がおすすめです。小型で持ち歩きのし易さも重要です。
ポケットタイプや首から掛ける事が出来るタイプ等様々なものがあります。

⑧防災用ホイッスル
⇒防災用ホイッスルは、大きな声を出すよりも遠くまでSOSを届かせる事が可能になります。

⑨エマージェンシーシート
⇒エマージェンシーシートは、寒さから身を守る事が出来るだけでなく、雨や風を避ける事も出来ます。人間の体温は、一度落ちてしまうと、自分で上げる事は非常に難しく、いざという時には命の危険からも守ってくれます。

⑩内服薬
⇒内服薬は、体調を崩した際に症状の改善が期待出来ます。災害時に崩しやすい胃腸系の整腸剤、胃薬、鎮痛剤、栄養剤等があれば安心感があります。

これらは、いざという時にきちんと使用出来るように定期的な交換・メンテナンスを実施しておくは、言うまでもありません。

■一大事にならない為に備える事は?

そして更に重要な事は、オフィスの環境整備です。怪我をしなければ一番良いので、発生しにくい対策が重要です。例えば書類棚の固定や避難経路の確保等であり、必要なのは人的災害に繋がりにくい環境整備と発生時の身の安全を図る為の反復訓練です。

いくら紙のマニュアルがあっても災害発生時や負傷した場合に混乱せずに行動をとるには、日頃からの訓練が必要になります。

最後に安全が確保されたと同時に、生きていく為に必要な物資の確保になります。防災備蓄は、最低でも72時間分の確保が必要と言われており、ライフラインがストップした際に想定される物不足の期間を乗り切る為の備蓄の準備です。

■最後に

纏めると従業員が安全で負傷等しにくい環境を整え、事業に必要な資産を守る準備が出来てこそ初めてBCP(事業継続計画)の策定が可能になります。

BCPと共に防災対策がきちんとなされていれば問題はありませんが、BCPのみが策定されている状況であればBCPの発動どころではないという事です。
とにもかくにも有事に備えた準備が、社員の安全確保、しいては企業の事業継続に繋がる事になるのです。

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