【動画】「熱傷(火傷)」~水だけでは不十分~

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熱傷とは

熱傷とは、火傷のことで、高温の個体または気体に触れた、また化学物質、放射線、電気等との接触により、皮膚や皮下組織、粘膜が損傷を受けることです。
最近では、熱傷は家庭、職場あるいは飲食店などでも発生しています。
昨今の高温による調理法が家庭やレストランにおける食事中の熱傷の発生を増加させています。

熱傷の原因

「爆発」「火災」「高温油類」「熱湯」「電撃事故」「化学事故」などがあります。

熱傷の深度

Ⅰ度は表皮まで、Ⅱ度は真皮まで、Ⅲ度は皮下組織まで及んだものです。
※Ⅰ度では日焼け程度です。

熱傷の深度 ②

火傷は軽症から重症まで様々な程度があります。
患部は非常に痛むこともあれば、ほとんど痛みがない場合もあります。

熱傷の機序

人体は、70-90%の水分から構成されています
①人体が、約45℃以上の熱にさらされると、
②熱は水分の循環により、体内に広がります
③過度な熱は体内に閉じ込められます
④熱が循環することにより、過剰な熱を皮膚表面より放出しはじめます
放出されなかった熱により皮膚組織はすぐに破壊され始めます

重症度の判定

重症度 ⇒ 受傷面積、部位、やけどの深さ
<熱傷評価の注意>
・火傷の部位 :
手、足、鼠径部、頭、首、鼻、口、および呼吸に影響を及ぼす熱傷は、重症とみなします。
・傷病者の年齢 :
低年齢(5歳未満)または高年齢(60歳以上)の場合は、非常に軽度でない限り、重症の火傷とみなします。
・火傷の原因 :
電気、化学物質、核・放射線、爆発等による火傷は重症の火傷とみなします。

病院前熱傷処置

熱傷の病院前応急処置の目的は、まず熱傷の進行を止め熱傷部位を冷やしながら疼痛を抑え、安全に病院に搬送することです。
▶ 熱傷の原因を止める
▶ 熱傷の進行を止める
▶ 熱傷を冷やし、傷病者を冷やさない
▶ 体液の蒸発を防御する
▶ 感染症を防御する
▶ 痛みを和らげる
▶ 患者への気配り、安心感

熱傷 応急手当①

1.直ちに流水で患部を冷やします。
冷やすことによりやけどが深くなるのを防ぎ、痛みを緩和できます。水道水で5分から30分ほど冷やします。
※衣服の上から冷やします。無理に脱がそうとすることで、「時間がかかり熱傷が悪化する」「水疱などが破れ、痛みが増す」などのデメリットが生じます。
※氷や氷水で直接患部を冷やすことは、ダメージが大きくなるので絶対にやめましょう。
※身体の広い範囲の火傷を冷やすと、低体温症になることがあるので、低体温の兆候や症状に注意して下さい。

熱傷 応急手当②

2.滅菌したドレッシング材で火傷の患部を覆います。
感染症にかかる可能性があるため、滅菌済みのものか、清潔なものを使用します。

化学物質による熱傷

化学物質による火傷の応急手当は、一般的な火傷と同様ですが、火傷の進行を止めるために注意が必要です。
化学薬品は皮膚に付着していると、熱傷がさらに悪化します。そのため、できる限り早く化学薬品を除去する必要があります。
対処 :
化学物質で汚染された衣服を注意深く脱がせる。
その後、大量の冷水で患部を十分に洗い流します。
(15分以上)
※電気による熱傷の場合、安全が確認できるまで、近づいてはいけません。

ウォータージェル

ウォータージェルは、やけどの応急処置をするための冷却材(熱を除去)です。 ウォータージェルは水ベース(96%)の可溶性ジェルで、やけどを覆うとやけど内部の熱の温度を素早く低下させます。
直ちにやけどの進行を止め、それ以上の悪化を防ぐことができます。 また、冷却することによって痛みを和らげ、熱傷部の体液の乾燥を防ぎ、外部からの感染も防ぎます。

水による冷却

・多くの水が必要
・気化熱による冷却
・長時間の冷却が必要
・熱傷表面は早く冷やす
・血管の収縮循環の減少
・低体温症のリスク

ウォータージェルの特徴

・熱傷の熱を取り除く
・熱傷の進行を止める
・水を必要としない
・熱傷だけを冷やし、身体は冷やさない
・低体温症をおこさない
・体液の乾燥を防ぐ
・感染を防ぐ
・痛みを和らげる
※これまでは熱傷創の冷却は、水または生理食塩水が主として用いられていましたが、救急の現場では十分な冷却ができず、冷却の仕方によっては低体温症を招いていました。

ウォータージェルの活用

ウォータージェルは、特殊な熱傷の処置に有効です。
・黄燐発煙筒による熱傷
⇒ 化学反応と熱傷進行を止めることが困難
・化学薬品による熱傷
⇒ 化学物質の特定と反応の進行を止めることが困難
・ナパーム弾などの焼夷剤による熱傷
⇒ 水を掛けると飛び散り、消火が困難

ウォータージェルの活用

2005年7月7日に起きたロンドン地下鉄爆破テロでの救助で、顔面にやけどを負った被害者へウォータージェルドレッシングが施されました。

ウォータージェルの必要性①

熱傷は60℃を超えた熱が皮膚に数秒接触するだけでも発生します。
たとえ接触温度が50℃程度でも、数10秒から数分で熱傷が発生し、熱傷部の温度が下がるまで熱傷による皮膚の損傷は進行します。

ウォータージェルの必要性②

水による冷却は表面温度を低下させますが、深部の温度はなかなか下がりません。
また、水は熱傷の進行を止めますが、熱傷部の表面温度が下がるにつれて、蒸発により身体から熱を放出します。
そのため、水は熱傷部の冷却に有効ですが、効果には一定の限度があります。
ウォータージェルを救急バックに加えることをご検討ください。

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